オートメーションで大量生産される自動車などの製品とは異なり、船は一品ごとのオーダーメイドであるため、船ができるまでには多くの行程が存在することになります。基本的に船は、注文を受けてからその生産を開始します。したがって他の製品のような在庫というものはありません。また、在庫を持つために生産されるということもありません。船は一隻ごとに仕様と構造を細かく決めてからつくられるので、シリーズ船(同じ型の船)以外は全く同じという船は存在しません。
船ができるまでに数多く存在する工程に適切に対応するべく、造船会社では、専門に仕事をさせる部という組織を作っています。部ごとに求められる役割が異なり、各部で働く人に求められる能力も異なってきます。造船会社には「マーケティング・営業部門」、「計画・開発部門」、「設計部門」、「調達部門」、「生産部門」、「メンテナンス・修理部門」、「総務・人事・労務・安全管理部門」というような部門が作られているのが一般的です。
造船の仕事につくためには、高等学校、高等専門学校、大学で専門教育を受け、造船会社に就職することになります。